店長のひとりごと


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2002年8月1日(月)

私達の不安の正体を見つけました 「わしズム Vol2」小林よしのり責任編集(幻冬舎)

この本の中の漫画「ゴーマニズム宣言EXTRA 現代戦争論」の中に以下の
言葉があります。


かつて、日本の企業は、「利潤」だけが目的ではなかった。
雇用によって社会を安定させる共同体の役割を自覚していた。
しかし、アメリカの資本「原理」主義の圧力に抵抗する「気概としての反米」
をなくした日本は、
規制緩和
ボーダーレス
金融ビッグバン
IT革命
構造改革、etcのアメリカ化の流行語を受け入れて、
日本の企業も「利潤」そのものが目的と化し、
資本「原理」主義に堕してしまった。
そして、「利潤」だけが目的の企業はリストラを断行し、失業者を増やす。
そして、「利潤」だけが目的の企業は中国に進出し、国内の技術を空洞化させ、
デフレを促進させる。
そして、社会は不安定化し、将来の見通しもなく、国民は活力を失い、
貯蓄に励む。
アメリカに対する「反」の気概のなさが今日の日本の閉塞感を作りあげている。


さすがに小林よしのりさん、私も「全体的」にはまさに同感です。

でも、こう聞くと「日本国」が悪い感じがしてしまいませんか?。
「日本国」すなわち「政治家」すなわち「官僚」、
すこし広げても
「評論家」「思想家」「文化人」「企業のトップ」。

でも、この「日本の閉塞感」を作りあげている犯人は、
私の父や友人や先輩や後輩を含めてきっと私の周りの99%の国民ですよ

今、「企業の目的は「利潤」だと思いますか?。」と質問したら
企業のほとんどの社員、つまりほとんどの日本人は

「企業の目的は「利潤」である」

と答えるでしょう。
企業内では会議などで社会の為の発言をした人が「鼻で笑われてしま」うの
が現実です。
最近ではこれがもっと深度化して、問屋と小売の関係のような利益共同体への
思いやりすらも全く気に留めないのが普通になり、ましてや同業他社のことを
思いやるやつは落ちこぼれみたいに扱われる始末です。

つまり、ほとんどの日本人は「反」の気概がないのではなく、「反」ではない
のです。(無意識下には「反」を感じているとも言えると思います。)

今の日本人の平均的な考え方は以下の様な質問を使えばかなり正確に把握する
ことができると思います。みなさんも自問自答してみてください。

問1 我田引水は悪いことですか?
問2 賄賂は悪いことですか?
問3 自分の会社の利益が100万円になる仕事を20万円の賄賂によって受
   注可能な場合、賄賂を渡しますか?。
問4 不正軽油の使用は悪いことですか?(不正軽油:重油などを混ぜて価格
   を安くした質の悪いディーゼル燃料のこと。これを使うと排気ガス中の
   SPM(煙)が異常に多くなる)
問5 自分の会社で社用車に不正軽油を利用すれば年数十万円の経費が削減可
   能です。不正軽油の使用を黙認しますか?。
問6 買占めは悪いことですか?
問7 あなたの会社がトイレットペーパーを販売しています。石油が枯渇して
   トイレットペーパーが不足するといううわさがあったいわゆる石油ショ
   ックの時代にあなたが仕入担当だったらトイレットペーパーを買占めま
   せんでしたか?。
問8 同じ用途のガソリン車があるのにディーゼル車に乗ることは悪いことで
   すか?。
問9 必要がないのに自家用車を使うのは悪いことですか?

どうでしたか?。
私は問1から 悪い、悪い、渡さない、悪い、黙認しない、悪い、買い占めない、悪い、悪いです。
平均的日本人は 悪い、悪い、渡す、悪い、黙認する、悪い、買い占める、悪くない、悪くない。
でしょうね。

結局、悪いと漠然と思っていることでも
「仕事だからしょうがない」
と思っているのが平均的日本人の姿です。
言いかえれば「人格に欠ける」日本人の姿です。

そして、会社は容赦ない競争にさらされて安売り合戦をする以外に生き残る道
を閉ざされ、業績もあがらず、家族が住む場所の環境がどんどん悪化してゆく
のを真のあたりにし、狼狽し、「不安になっている」のです。
これが不安の正体です。



これを正に「因果応報」と言うのですよね。



社会が健全である為には
社会的な影響の大きい「仕事」でこそ強い倫理感が求められるべきなのに、
「仕事だから」目をつぶって良いと考えている。

ここが完全に誤りです。
該当する人(殆どの日本人)は
「人格を向上させる修行をしなければなりません。」

私は幸い父親から「人様に迷惑をかけるな」と教わって、それに納得して生き
てきました。だから、「仕事は競争だから他人を出し抜いても売上が伸びれば
良い」と言われても「それはおかしい」としか思えません。
だから「資本「原理」主義に対して「反」」と何の自己矛盾も感じることなく
言えるけれど、私が今まで出会ってきた殆どの人間はこうは行かないだろうと
も思います。なんせ過去の自分のかなりの部分を否定しなければなりませんか
ら。

私が「人様に迷惑をかけるな」と教わったその父親でさえ、「仕事だからある
程度人を出し抜くこともある」ともっともらしくのたまってます。
私はひねくれた子供だったので「それはおかしい」と思って信じませんでした
が、私の父親はどうやらその矛盾に気がついていない様なのです。

私はこの文の中で「人格」という言葉を使いましたが、
私は「人がどのくらい広い社会の為を思って行動しているかの基準」が「格」だと
考えています。すなわち「人格」が高い人とはより大きな社会の為を思って行
動する人と考えている訳です。





はっきり言いましょう。



私の父は「人格に欠ける」のです。
彼には悪いけど「私の方が格上」と言えると思います。




そう考えると、やはり

戦前の日本人は平均的「人格」が最も高く、
それからの世代は徐々に「人格」は低くなっている。

と、いうことになります。

繰り返しになりますが、これが不安の原因です。

どうです。過激でしょ?。
私100%本気です。

「同じ用途のガソリン車があるのにディーゼル車に乗ることは悪いことです。」

「必要がないのに自家用車を使うのは悪いことです。」

「ましてや、企業がこれを行うのはさらに悪いことです。」

反省してください。自分達の不安や閉塞感を取り除く為の第一歩はここから始まります。