店長のひとりごと


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2006年1月26日(木)風が吹けば桶屋が儲かる?、道徳と経済の関係。「道徳という土なくして経済の花は咲かず」「国家の正体」日下公人


御多聞に漏れず更新間隔が確実に広がってます。とうとう1年5ヶ月以上ほったらかしてしまいました。今年は言い訳もありません。
おかげさまでなんとか教科書シーズンが終わりました。もう次のシーズンが始まっていますが、関係された皆さんご協力本当にありがとうございました。
「道徳という土なくして経済の花は咲かず」と言われたら普通なら
「ほんまかいな、そんな風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話信用できますかいな。」<=(どうして関西弁?自問)
と思うんじゃないでしょうか?。でも事実なんです。本当なんです。信じてってば皆さん。<=なぜか感情がこもる私

経済に興味のない人にとっては意外かもしれませんが、数年経済書を読み進んでいったらとうとう道徳の話になってしまいました。
最近ではかなりの経済書が「経済繁栄の土壌としての道徳」について記述していますが、この本にはこんな風に書かれています。

人間と人間が解け合わないからあるべき関係を文書という形で明示したものが法律だ。
これでやっと国民が安心して暮らせる。ただし、裁判所がいる。弁護士も必要だ。何かというと訴えて、争った上で決していくから手間暇がかかる。
アドバーサリーシステムといって、アメリカ人はそれを自慢にしているが、日本人にはなじまない暮らし方である。ずるいヤツが往々にして勝ってしまう。
メンバー同士の摩擦が多くては、経済の効率が悪くなる。無駄が多すぎる。・・・略・・・アメリカの刑務所には511万人が入っている(日本は11万人)。
大阪市と名古屋市をあわせたくらいの人が刑務所にいるのは重荷である。
悪知恵に磨きをかけあっているような国では、他の国は相手にしたくない。経済的にもお金を貸そうという人はいなくなる。
何度も述べてきたように、日本はまったく異なる。倫理道徳が徹底した相互信頼社会だからメンバーの摩擦はないも同然で、余計な心配がない。
相手に騙されたり、ギャングに襲われる心配がないから、安心して取引できるし、ガードマンや用心棒にコストをかける必要がない。
日本経済が発展するのは自然なことなのである。


この引用部分で筆者が言いたいことと直接関係ありませんが、刑務所に服役している人数がアメリカは日本の46倍!!!
人口は2倍ですから~~~~~~~、残念~~~!!!。<=かなり古い


それにしても信じられない差ですね。
人口比を考慮しても日本の23倍の服役者がいるんですよ!!!。
しかもあの国って銃持つの自由なんですよ、みなさん!!!。

野蛮!!。

としか言い様がないですよね。
経済の土が道徳なのなら、こんな道徳のない国のアメリカでそこそこ活発な経済交流があるのがむしろすごいですね。
確かにこういう野蛮な国では彼らの自慢「アドバーサリーシステム」ってとても有効なシステムなんでしょうね。
いくら日本が野蛮な方向に向かいつつあるとはいっても服役者が今から23倍になるまでには相当な猶予があるでしょうから、
手遅れになる前に「倫理道徳」を再徹底して、真似しないで済む様にしなければならないのですね。納得です。


確かにそうですよね。日本にいるとあたりまえすぎてなかなか気がつきませんが、
2者間の契約が履行されるいうのは相手を信用する為のしくみがあって初めて成り立つことなんですよね。

小川書店でいえば取引先が売り掛け金(後払い金の事)を払ってくれなかった場合でも商売が立ち行かなくならない為に、
その取引先が支払い不能になる可能性を考慮して、売り掛け金額を制限したり、現金支払いをお願いしたり、場合によっては取引をお断りすることもあります。


「お金を払ってくれないのなら、裁判所に訴えればいいじゃないか」とお思いの方も多いでしょうけど、
それにも手間と費用そして裁判中に他業務へ与える物心両面の悪影響もあります。
裁判によって回復できる損害がそれにかかる手間賃、費用、損害見積もり額を下回ってしまう場合はその分は損金としてあきらめるしかないのです。

つまり、取引相手が信用できないと取引そのもの、すなわち経済行為そのものが出来なくなってしまうケースは一般の方が思っているより多いのです。

ところが、日本のかなりの会社では明らかに上記の条件に見合わない小規模会社等に対しても後払いで品物をお届けしている会社も数多くあります。
私の知り合いの本屋でもこれで「手間を省いて」いる人が沢山います。それでも致命的な損害を被ったという話は聞きません。
おしなべてみれば、そのことによるコスト削減効果が損害を上回るのです。正に「相互信頼社会」でしか行えない、「超コスト削減」と いえるでしょう。

実際にこれがあるから個人の方にも1軒1軒本を配達することが可能な訳で、このために年間1人1冊1500円分本を余計に買うとすれば
年間1千8百億円GDPを押し上げるのです。
日本での出版物全体の総売上は約2兆3千億円だから、出版業界だけで7.8%のGDP増加となりますよね・・・。
・・・
・・・
・・・
え!、7.8%?・・・
・・・
・・・
・・・
さっきの年間1人1冊1500円ってのが多すぎたか?・・・。
まあ確かに1年に1冊も本を読まない方もかなりいらっしゃいますしねえ・・・。
でも本を読む人を考えたら届けてくれるってことで1年間に1冊どころじゃなく、3,4冊くらいはよけいに買っちゃうでしょうしね・・・。
平均すれば年間1人1冊1500円位にはなりそうな感じもしますねえ・・・。
・・・
そしてこの効果が期待されるのは本屋の業界だけではなく全ての業種な訳ですから、・・・。
・・・
て、ことは・・・、国全体でも7.8%!!!
・・・
・・・
えっ!、すごい!!!。
自分でも驚きです。「相互信頼社会」ってすごい経済効果を生むんですね。
今でも世界の大多数の地域では契約は履行されないのが当たり前ですし、特に中国なんか代金を一回で支払ってくれることはまずないと聞きます。
私も自分で商売をする様になって初めて代金回収の大変さを知りました。
上記の本で倫理道徳が徹底しているとされている日本国内でさえそうなんですから、
ましてやこれが海外相手であったら代金の回収にかかるコストはそれはそれは大変なものでしょう。

そして、日下公人さんの最新刊「国家の正体」に以下の様な記述があります。

国家の保護がないために、中国に行った日本の商社員や銀行員は監獄にぶちこまれたりその他ひどい目にあっている人が大勢いるが、
日本の外務省はまったく保護しないし、中国当局に文句を言おうともしない。新聞も報道しない。
イギリスは自国民の保護のためには昔から軍隊を派遣しているし、アメリカには海兵隊が「有事の際にはいつでも行くぞ」と睨みをきかせている。
ところが、日本はなにもしないと中国は分かったので、安心して好き放題に日本人をいたぶる。


「イギリスは自国民の保護のためには昔から軍隊を派遣して」るんですよ。みなさん!!。
そして、この本には記述がないので私個人の推理だけれど、多分この「イギリス軍」は大使館の中に常駐しているのでしょう。
・・・
・・・
・・・
って、ことは皇居の前に鎮座しているイギリス大使館にも「軍隊」が常駐してるんですかね?。
治外法権なのだから完全に向こうの勝手ですよね。
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・・・
・・・
きっと居るな。
あからさまに軍服は着ていないけれどSPとか警備員とかに化けて特殊部隊の人とかは居るよね絶対!。


私の店、すなわち実家の周りにあまりに大使館が多いものだから忘れていましたが、大使館ってのはかなり危ないところなんでしたね。



おっと、本題からはずれました。「相互信頼社会」の話でした。

ここから得られることは信頼できない社会で商売すなわち経済活動をするってことは「軍隊」まで必要だってことです。
考えてみれば当たり前の話ですよね。相手の善意を全く期待できないのですから、暴力、殺人なんでもやる人と常に一緒にいると考えなければならない。


すなわち、誰かが自ら創り上げた「皆が便利になる為のアイデアやしくみ」を使って世界中の人々に喜んでもらって、 自らも利益を得たいと考えたとき、
他の国では「軍隊」「マフィア」「やくざ」と 手を組んでから準備を始める必要があるのに対して、日本ではその必要が全くない。
日本には商売する為の土壌がしっかりと出来上がっている。

だから世界に、特にアメリカには日本で商売がしたい人は大勢いる。

でも、日本は昔から「相互信頼社会」なので国内のサービスが充実しているから、競争は厳しい。
・・・
・・・
・・・
横田や横須賀に常駐している軍で恫喝して無理やり牛肉をねじ込むとどうなるかというと、
信用できる日本産ブランド牛肉の売れ行きは良くなるが、
某牛丼屋は牛丼を復活させても客は寄り付かないだろうし、
スーパーではアメリカ産牛肉を置いただけで客はこなくなり、
横田に軍を常駐させている国の牛肉を使った飲食店は善意のない店として客が全く入らなくなる

という結果になるでしょう。
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「カルフール」なんかは見事に負けて撤退しましたよね。「ウォルマート」 も西友を買収してリストラをした挙句に、肝心の業績が予想以上に落ち込んで青息吐息の状態です。
・・・
彼らだって最初はひだりうちわで楽勝だったはずなのに、結局は苦労してるんですよね。
・・・
ってことは、外国の企業の立場に立って考えてみると、日本市場への参入ってのは難しいけど、それでも参入したいってことなのだろうか?。
ひょっとして日本市場への参入っての競争率は高いが、すごく高度な目標ってこと?。
いや待て、ひょっとして日本市場での成功ってのは自国での宣伝にさえなる?。
・・・
・・・
・・・
・・・なるよ、これ。きっと。

だって、例えば「フォード」。マツダの販売網で販売してあげたのに売れなかったんですよ。
日本で売れてる外車は「ベンツ」「BMW」「ルノー」世界最高級のブランド車だけです。
「あの日本で売れているのならきっと良い製品なのだろう。」と考える消費者が世界に少なからずいるだろうから、
日本で売れているからさらにその評判で世界に売れている部分が多いのかも!。

だから、外国の企業はまず日本で成功したい。日本での成功は世界進出の成功を約束することになる?。
・・・
じゃあ、郵政民営化で日本国にその資金の運用を任される企業は自国では「素晴らしい名誉」ってことになるの?。

一般的には郵政民営化の問題点として、ハゲタカが郵便貯金の資金に群がっている図を連想してしまいますが、
資金を運用するっていうのも実は大変で、株券や証券、債権などを売買しているだけではゼロサムゲームになってしまい、
手数料等を考えると、長期的には必ずマイナスになります。
結局は実業を成功させてそこから利益をださなければ原資が目減りするしくみになっているのです。
虚業だけではあの「ライブドア」の様に数年以内に自滅することが必定なのです。
たとえ、短期で売り抜けて儲ける人がいたとしても、不正をしていない限り長期的には必ずマイナスになるはずです。

つまり、郵政の資金だろうと何の資金だろうと上手に運用できる企業というのは、
その資金を使って上手に実業を成功させる事が出来る人や企業ということです。
最初に言った様に
自ら創り上げた「皆が便利になる為のアイデアやしくみ」を使って世界中の人々に喜んでもらって、 自らも利益を得ることが出来る人や企業
ということになるのです。
・・・
・・・
・・・
こういう人や企業って本当に少ないですよね。 ・・・
年金の運用では無駄な箱物ばっかり造ってる公的機関が沢山あったのは記憶に新しいところだし、
整備新幹線だって、高速道路だって無駄だっていう人は多いしね。
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・・・
・・・
  • でも、家の近くに出来た地下鉄は確かに良いぞ。車は減って空気はきれいになったし、どこに行くにも便利になったぞ。しかも黒字!。
  • つくばエクスプレスも実はとっても便利だそ、最高速度130キロで早いぞ、楽しいぞ、黒字かどうかは微妙らしいが、沿線人口考えればまあ多分大丈夫でしょう。
  • 首都高速だってレインボーブリッジ外環道のおかげで、最近箱崎で渋滞しないことも結構あるぞ。金さえあれば結構使える様になったぞ。
  • 新幹線、結局みんな便利に使ってるんじゃないか?、しかも黒字!。
  • 常磐線、総武線どうしてあんな不便なの?。快速と普通で行き先が違ってる上に乗り換えに階段上り下りしなきゃならないってなんだ?。 嫌がらせか?。早く直せ。
  • あと、築地とかの市場、つまり物流ね。ITが進化して物流革命進んでんだから、築地市場とか旧態依然とやらせてないで「行政主導」でIT導入したらどう?。
  • 実は本の物流。ぜひ「行政主導」でITによる物流革命して欲しい。
  • ヨーロッパじゃ、トラム(21世紀型路面電車:都市部では路面電車、郊外では普通の電車として100キロ以上で走る)いっぱい作ってんですよ。 町の中心街を車乗り入れ禁止にしたりして。地方都市にも東京にも一部でいいからそういうセンスのいい街欲しいよね。
  • 第二東名高速なんて造ってるけど、そんなの止めて貨物専用のトラックごと乗せられる新幹線とか造ったらどう?。
  • 電気自動車を普及させる為にバッテリー交換式の電気自動車造ってバッテリースタンドいっぱい造るってのはどう?。
  • 大阪から福井、金沢方面の北陸本線、未だに在来線しかなくって、なんと特急が15分に1本走ってんですよ。いいかげん新幹線造ってやれよ!。 黒字間違いなしですから。
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こうして私が思いつく資金運用のアイデアを列挙してみると、行政主導で資金を運用(活用)しなければならないケースが多いですね。 ・・・
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そうか!、アイデアを持っている人は行政にもいれば、民間にもいる。同様に資金を持っている人も行政にもいれば、民間にもいる。
だったら、アイデアと資金を結びつける為のネットオークションでも開催するしかないのかもしれないですね。
とりあえず思いつきですから、続きはまた考えるとしましょう。

あと、そうそういい忘れるところでした。最初に言った様に、

手遅れになる前に「倫理道徳」を再徹底して、真似しないで済む様にしなければならないのです。
これは大前提です。皆さんお忘れなき様に!!。

特に某国総理大臣総務大臣それに第一党の幹事長さん!!。
(字の大きさには意味があります。)